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2015年10月 6日 (火)

【ゲーム紹介】ポンジ・スキーム Ponzi Scheme 龐氏騙局

出版:山頂洞人実験室 Homosapiens Lab
デザイナー:Jesse Li
プレー人数:3~5人
プレー時間:60~90分
ゲーム概要:
ポンジ・スキームとは詐欺の手段の一種。
実態のないプロジェクトに資金を募ることである。
投資家が増えているうちは配当を出すことができるので見かけ上はまともなプロジェクトに見える。
しかし投資家が増えなくなると配当が出せなくなる。
そして事業主は破産するかトンズラするのである。
このゲームではプレーヤーは金融詐欺師を演じる。
誰が一番の詐欺師となれるだろうか。




このゲーム、昨年末に台湾のクラウドファンディングサイトflyingVで資金調達を達成したのですが、
その額なんと432,415台湾ドル(約160万日本円)、目標額の実に720%というお化けプロジェクトとなりました。
その後、遅々として出荷されていなかったのですが、今年の7月末にようやく発送されました。

Wp_20150907_20_09_07_pro

不敵な笑みを浮かべるおっさんの箱絵。
サイズは手元にあるスワンパナシア版のカタンに近い。
そして重量がずっしり。

Wp_20150907_20_13_03_pro

箱の中身はこんな感じ。
同じHomosapiens Labが出してる『デザインタウン』のプロモカード入り。

Wp_20150907_20_36_11_pro

タイル類はこの厚さ。
どうりで重いはずです。

Wp_20150907_20_41_22_pro

ぶち抜いたタイルの一部、会社を表すタイル。
左から通信業、不動産業、食品業、輸送業。
これが最終的に得点になります。
特殊な形で、並べると立体的なビルに見えるという仕様。
しかし詐欺用のペーパーカンパニーなのでいくらでかくしても収益はもたらしてくれないのであります。

Wp_20150907_20_53_20_pro

資金カードは青の基本カード、黄の一般カード、赤のベアカードの3種類。
大きく書かれた数字はカードを取ってきたときに調達できる金額。
六角形は期数で、満期を迎えたらその右に書かれた利息を支払わなければなりません。
巨額の資金調達は1期あたりの利率が50%超とかいうアホみたいな値が平気で設定されています。
しかもこの借金はどういうわけだかどれだけ返済してもなくなることがありません。
詐欺師はいったいどっちなんだと言いたくなります。

※2016/12/20追記
よく考えたら、借金がなくならないのは元本を返してないからですな。

ベアカードは巨額の資金調達ができるカードなのですが、
これがプレーヤー人数以上の枚数だけ場に出ると市場が暴落し、不況が訪れます。
実態のないプロジェクトに流れ込むお金が増えたらそらバブルもはじけるよというわけです。

なお、赤のカードは公式日本語訳では「熊カード」となっています。
原文は「熊卡」で、「卡」とは「カード」のことなので、あながち間違った訳ではないのですが、
ここの「熊」とは経済学用語の「Bear」(クマの背中が丸まっていることから、後ろ向きの投資マインドを表す)のことでしょう。
よって「ベアカード」の方が適切だと思います。

説明書に書かれている資金カードの枚数はエラッタが入っており、

資金カード×45 ベアカード×18

資金カード×47 ベアカード×16

と修正されています。

Wp_20150907_20_29_29_pro

お金は紙製。
このデザイン、実にそれっぽいなあと思うのですが、それぞれ元ネタがあるのでしょうか。

Wp_20150907_20_28_58_pro

なんと木製のスタンドがついています。
コンポーネントがとにかく豪華です。
720%調達した資金を充分に生かしています。
しかし豪華なコンポーネントと特殊な形のタイルのせいで出版が遅れたという話もあったりします。

Wp_20150907_20_14_02_pro

豪華コンポーネントのもう1つのウリ、革製の財布。
これは秘密取引のフェイズで使います。
秘密取引にはややクセがあります。
まずは手番プレーヤーが他のプレーヤー1人の会社を1つ指定し、その会社を買いたい金額を財布に挟み込んで手渡す。
当事者以外に金額を知らせないためなのですが、これがいかにも怪しい取引をしている感じがして楽しい。
財布を受け取ったプレーヤーは金額を確認する。
その金額に満足であればそのままお金を受け取り、代わりに会社タイルを渡す。
もし不満であれば、必ず同じ値段を新たに挟み込んで手番プレーヤーに手渡し、会社を買い取らなければならない。

手番プレーヤーは相手の財務状況を勘案してできる限り安く買おうとオファーをすることになるでしょう。
あるいは、相手に売りたい場合もあります。
しかし最初は買いオファーを出さなければならないので、ギリギリ売った方がマシだと思える安値を提示することになります。
この値付けが実に難しい。このゲームの肝です。

なお、このフェイズは公式日本語訳では「インサイダー取引」となっていますが、株取引のゲームではないので不適切でしょう。
原文の「暗盤交易」は「秘密取引」くらいの訳でよいと思います。

このフェイズのルールにもエラッタがあり、1ターン目は秘密取引を行わない、というルールが追加されています。

Wp_20150913_17_45_41_pro

このゲーム、間もなく開催されるエッセンの展示会に持ち込まれるとのこと。
なにやらいろいろな事情がある模様なので、初版がはけたら同じクオリティで出るかどうかはわかりません。

※2016/12/20追記
今年になってTMG社から英語版が出たそうです。
コンポーネントの同一性などは不明。


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コメント

こんにちは。
ゲームの説明書の訳者のLilyです。

経済学関連知識が浅いこちらが専門用語を間違えて訳したことをご指摘いただいて、誠にありがとうございます。m(_ _)m

ただ気まぐれで自分が訳したゲームをググってみただけで、この紹介をみれてよかったと思います。

まだボードゲームの説明書を翻訳する経験が浅いのですので、ほかにも違和感を覚えたところがありましたら、お手数をおかけしますが、ぜひご指導いただきたく、よろしくお願いします。m(_ _)m

>>Lilyさん

返信遅くなりすみません。
コメントに今気づきました。

翻訳先の言語が母語ではない場合、一般にネイティブチェックが必須です。
必要でしたら私の方で確認しますので、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
raytiagu0802★live.jp(★を@に変換)

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