Board Game Market レポート
2018年12月15、16日、上海でボードゲームイベント「Board Game Market」が開催されました。
日本のゲームマーケットでブースを戸別訪問してビラをまいていた、と聞くとピンとくる方も多いかもしれません。
主催者は「卓遊誌」というボードゲーム雑誌なのですが、この雑誌、かの有名なヨカゲームズ(遊卡卓遊、Yoka Games)とも近しく、三国殺全盛のころはボードゲーム雑誌といいつつほとんど三国殺の機関誌のような様相を呈していました。
会場は上海世博展覧館、2010年の上海万博跡地に建てられた立派な展示場です。
付近には、
上海万博中国館を再利用した中華芸術宮や、
大型コンサートによく使われるメルセデス・ベンツ・アリーナがあります。
そして、会場となった上海世博展覧館がこちら。
使用されたのは会場の中の1ホールですが、これまで私が見てきた中国のボードゲーム関連イベントの中では一番立派な会場でした。

○出展ブース
まずは目についた出展ブースの写真を紹介していきます。











聞けば、『三国殺』ベトナム語版を出している縁で招待されたのだそう。

↑ベトナム産のゲームたち







○会場内で開催されたイベント
主催者がヨカと近しいとあって、三国殺の大会が開催されていました。

こちらはリアル謎解きゲーム。

ひと悶着あったゲームデザインコンテスト「WODC」の入賞作が展示されていました。
なお、金賞の『Jiangshi vs. Panda(キョンシーvs.パンダ)』のデザイナーは日本人の岩田壮史氏。私も運よく会場でお目にかかることができました。

『Jiangshi vs. Panda』はキョンシー陣営とパンダ陣営に分かれて戦う非対称チェス。
キョンシー陣営といいつつ武道家が混ざっているし、パンダ陣営といいつつ大将以外はほとんど非パンダだったりします。
キョンシー陣営は全体的にコマの攻撃能力が高く、パンダ陣営は全体的に俊敏性に優れています。
移動可能な方向と攻撃可能な方向が必ずしも同じではないという点で私は最後までコツがつかめず苦戦したのですが、実はコマにしっかりと表記されています。

こちらのデザイナーMa-soccer氏も日本人。
こちらも変則チェス。
各自が大将(パンダかトラ)コマ1個とダイスのコマ4個を両者同じように初期配置してゲームスタート。
ダイスのコマは上を向いている目の数だけ回転しながら進むことができ、相手のコマがあるマスにちょうど止まることができればそのコマを取ることができます。
大将は前後左右斜めに1マスと、王将と同じ進み方。
相手の大将を取るか、自分の大将を左奥または右奥のマスまで進めることができれば勝利。
チェス系ゲームがそれほど得意ではない私としては頭の処理能力がちょうどよく、『Jiangshi vs. Panda』よりはこちらの方が好みでした。
先に『Panda & Tiger』を試遊したのも、『Jiangshi vs. Panda』で戸惑った理由のひとつかも知れません。

↑その他の入賞作品の一部
また、業界の方々による講演も行われたのですが、その中の1人としてエポック中国支社元総経理の稗田喜一氏が登壇しました。
○会場内の様子
今回は上海市内の別の会場で同人イベントが開催されていたとのことで、人の流れが分散したのか、閑散としていたという感想が多く聞かれました。
今回使用されたホールは、数値上はゲームマーケット春・秋が開催されるビッグサイトのホールよりも広かっただけに、寂しさを感じる箇所もありました。
いずれ中国でもこの会場のキャパシティーが十分に活用できるようなボードゲームイベントが開催されることを願ってやみません。


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